2004年版高血圧治療ガイドラインについて
日本高血圧学会から高血圧治療ガイドラインの改訂が発表されました。糖尿病などの合併症の有無にも考慮した、より厳格な治療が強調されています。
多くの改訂点がありますが、降圧薬の使用法に関することなどを除いては、以下の3点が特に大きな変更点かと思いますので、簡単に紹介します。
| 軽症高血圧 | 中等症高血圧 | 重症高血圧 | |
|---|---|---|---|
| 140-159/ 90-99 mmHg | 160-179/ 100-109 mmHg | ≧180/ ≧110 mmHg | |
| 危険因子なし | 
							 
								低リスク 
						 | 
						
							 
								中等リスク 
						 | 
						
							 
								高リスク 
						 | 
					
| 糖尿病以外の1〜2個の危険因子あり | 
							 
								中等リスク 
						 | 
						
							 
								中等リスク 
						 | 
						
							 
								高リスク 
						 | 
					
| 糖尿病、臓器障害、心血管疾患、3個以上の危険因子のいずれかがある | 
							 
								高リスク 
						 | 
						
							 
								高リスク 
						 | 
						
							 
								高リスク 
						 | 
					
			ちなみに、2000年版のガイドラインでは次のようになっていました。

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このように、ガイドラインが変わることで、特に、高齢者では、今までは目標をクリアできていたものが、治療はまだ不十分、と考えなければならなくなるのは理不尽な気もします。しかし、高血圧という病気そのものは昔から変わっていないのですが、どのくらいまで下げればよいのかといった、科学的な、長期的なデータが蓄積され、このように治療のガイドラインの改訂に結びついたものと考えられます。できるだけ新しい知識に基づいた治療を心がけていきたいと思います。