アレルギー、特に花粉症、喘息について
		
		
アレルギーとは
		
			- 外から入ってきた体に有害な外敵を排除する働き=免疫反応
			
 - “外敵”に対しては抗体を作る
			
 - ところが、“外敵”かどうかを見分ける働きに異常が生じ、“外敵”でないものに対しても反応し、抗体を作ってしまう=アレルギー反応
			
 - たとえば、花粉、ハウスダスト、カビなどに反応してしまう
		
 
		
		アレルギー疾患にはいろいろありますが、今回は花粉症と喘息について、日常の注意点を解説しましょう。
		
花粉症について
		最近、花粉症患者さんの低年齢化が指摘されています。
		
			- スギ花粉への感作率(抗体を作る体質)は15歳で40〜50%という調査結果があります
			
 - そのうちスギ花粉症の症状が出る人が40〜50%
			
 -  =小中学生の4~5人に一人がスギ花粉症ということになります
			
 - 原因として、大気汚染との関連も指摘されていますが、真相はまだはっきりしません。
		
 
		
スギ花粉対策
		花粉対策としては、鼻や目には入る花粉の量を減らす工夫をするということになります。そのためには、
		
			- 花粉予報を有効に利用
			
 - マスク、メガネ
			
 - 外出から帰ったら洗面、うがいを
		
 
		などが大切です。
		
スギ花粉の飛散
		
			- 毎年2月〜5月に飛散
			
 - 最近ではテレビでも報じられる飛散予測を有効に利用しましょう。花粉の多い日はマスクをするなどの対策を立てましょう
			
 - 花粉飛散予測は、前年の夏の気温、冬の気温の変化、飛散後の気温、湿度、風向きなどから飛散量を予測するもので、かなり正確と考えてよいと思います。
		
 
		
マスクの効果
		
			- マスクの効果は商品によってまちまちですが、一定の効果はあるようです
			
 - 普通のガーゼマスクでは花粉を取り除く効果は少し弱いようです
			
 - 花粉症専用マスクがよいのですが、抵抗が大きくかえって息苦しく感じるものもあると思いますのでいろいろ試してみるのがよいでしょう
		
 
		
メガネの効果
		
			- メガネをかけることによって眼に入る花粉の量が減少することも確認されています
		
 
		
スギ花粉以外の花粉症
		
			- スギ花粉以外の花粉症も増えています
			
 - ヒノキは6月くらいまで、イネ科の植物の花粉は7月頃まで飛散します
			
 - スギ花粉の時期が過ぎても症状があるようでしたら、これらの花粉が原因の可能性もあります
		
 
		
		
喘息について
		喘息の場合、発作の誘発因子をさけることが大切です。代表的な発作誘発因子と頻度、対策は以下の通りです
		
喘息の誘発因子と対策
		
			- かぜ    70.1%
			
			
 - 飲酒    67.7%
			
 - ほこり   60.6%
			
 - 大気汚染  58.3%
			
			
 - 天候    48.0%
			
				- 湿度35~50%、温度は夜18℃
				
 - 日中20℃前後が至適
			
 
			 - 雨の前   35.8%
			
 - 冷気    20.4%
			
 - 過労    40.2%
			
 - 運動    37.4%
			
				- ウォーミングアップを十分に(急に走り出したりすると特に起こりやすいので)
			
 
			 - タバコの煙 37.0%
			
		
 
		
喘息の原因はハウスダスト、ダニ、カビであることが多いので、それらを減らすことが大切です。
		
ハウスダスト・ダニ対策
		
			- どこまで減らすか?・・・室内のホコリの量を現在の10%以下にするのがよいといわれています
			
 - 洗浄=ダニを95%以上除去できる(衣服、寝具、枕、おもちゃ、家具、カーペットなど)
			
 - 掃除機=掃除機はベランダなどに置く。カーペットクリーニングは熱い蒸気が噴霧されるタイプのほうが殺ダニ効果もありよい
			
 - 空気清浄器=空中にとどまっているホコリに対しては効果はあるが、カーペットの近くなどでは効果は少ない
		
 
		
カビ対策
		
			- フィルターによる空気清浄も有効
			
 - 風呂のタイルのカビ、シャワーカーテンのカビなどもよく洗って除去する		
 
		
まとめ
		
			- アレルギーの原因物質(スギ花粉、ハウスダスト、カビ)を減らす(身体に入ってこないようにする)工夫をしましょう
			
 - 喘息の誘発因子を避ける工夫をしましょう
		
 
		<参考文献>
		
			- 今月の治療2001年 vol.9 No.12 一般医のための喘息治療のコツ
			
 - 臨床雑誌内科2001年 vol.87 No.3 アレルギー疾患の診断と治療ー内科医のためのガイドラインー
		
 
		
			
			上福岡市立福岡小学校学校保健委員会での報告より(平成15年6月25日(水))
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