膠原病患者家族のつどい
		強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎の患者さんのために 
		ー内臓病変についてー
		2008年10月26日(日)川越市総合保健センター
		川越市総合保健センターで行われた膠原病患者家族のつどいに出席しました。会に先立って、30分ほどの講演をさせて頂きました。膠原病にともなうことの多い肺病変、腎病変についての理解を深めて頂きたいと思い、肺と腎臓について、どんな臓器なのか、それらを守るためにどんなことに注意をしたらよいのか、といったお話しをさせて頂きました。
		
はじめに
		
			- 膠原病では、ときに内臓の障害を併発することがあります
 
			- 特に、肺、腎臓の合併症が問題となることがあります
 
			- 肺、 腎臓について理解を深め ましょう
 
		
		
肺病変
		
			- 強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎では肺の病変を合併することがあります
 
			- 間質性肺炎といわれる病態です
 
			- 進行しないもの、ゆっくり進行するもの、 急速に進行するものなど病型は 様々です
 
		
		
肺の構造
		
			- 左右の胸に1個ずつあります
 
			- 身体に必要な酸素を取り込み、いらなくなった二酸化炭素を排泄します=ガス交換
 
			- 肺胞といわれる部分でガス交換が行われます
 
			- 肺胞は、気管から細かく枝分かれした終末の袋状の構造で、6〜8億個あるといわれています
 
			- 肺胞を取り囲む毛細血管との間で、酸素と二酸化炭素の交換が行われます
 
		
		  
  
		  
		
		
肺の検査
		
			- 聴診器で音を聴きます
				
			
 
			-  レントゲン
 
			-  胸部CT検査
 
			-  パルスオキシメーター( 経皮動脈血 酸素飽和度 )
				
					-  動脈血中の酸素濃度を 測ります
 
					- 90% 以上 が正常
 
				
			 
		
		
間質性肺炎とは
		
			- 肺の “ 間質 ” に炎症が起こります
 
			- 痰はあまり出ませんが、咳が出ます
 
			- 間質性肺炎が広範囲に起こるとガス交換の効率が低下し、酸素欠乏になります
 
		
		
間質性肺炎の症状
		
			- 空咳、発熱
				
					- 細菌感染による肺炎では肺胞の中に 菌が入り、 それを白血球などが貪食して 死滅させた結果、 ” 痰 ” が 出ます が、間質性肺炎では 痰は出ません
 
				
			 
			-  息切れ
				
					-  間質性肺炎が広がると酸素の取り込みが 低下し、 酸欠 状態になり、息苦しく感じることもあります
 
				
			 
		
		
間質性肺炎の治療
		
			- 炎症を抑えるために
				
			
 
			-  抗ウイルス薬、 抗真菌剤、 抗生物質など
 
			-  酸素投与
 
		
		
間質性肺炎と診断されたら
		
			- 禁煙は重要
				
			
 
			- 定期的な検査
				
			
 
			- 感染の予防
				
					- うがい、手洗い、人混みではマスク
 
					- 予防接種
 
					- 感染によって間質性肺炎が悪化することを防ぎます
 
				
			 
		
		
腎病変
		
			- 強皮症では腎病変を合併することがまれにあります
 
			-  膠原病とは関係なく、 高血圧 、糖尿病 などに伴い 、腎病変を合併することもあります
 
		
		
腎臓の構造
		
			- 腎臓は左右に1個ずつある
 
			- 血液が流れ、身体に必要な成分は保持し、いらなくなった老廃物だけを尿に排泄する
 
			- この選別を行っているのはネフロンという部分
 
			- ネフロンは腎臓1個に100万個あるといわれている
 
		
		  
		
腎臓の働き
		
			- 血液が常に循環し、血液をきれいにしている
				
					- 血液中の老廃物は尿中に排泄し、必要なものは排泄しない、という選別を行う
 
					- 老廃物の窒素化合物は尿中へ
 
					- 蛋白質などは尿中には出ない
 
				
			 
			- 水分のバランスをとる
				
					- 水分が足りないと尿量を減らす
 
					- 水分をとりすぎると尿量が増える
 
				
			 
			- エリスロポエチンの分泌
				
			
 
		
		
腎臓の検査
		
		
腎病変の症状
		
			- 倦怠感
 
			- むくみ
				
					- 足がむくむ
 
					- 朝方顔がむくむ
 
					- 腎臓による水分バランスの調節が崩れたり、尿に蛋白が漏れ出てしまうとおこります
 
				
			 
			- 呼吸困難
				
			
 
			- 貧血
				
					- 腎機能が低下するとエリスロポエチンの分泌が低下し、赤血球が少なくなる=貧血が起こることがあります
 
				
			 
		
		
腎病変があると言われたら
		
			- 塩分の摂取を控えましょう
 
			- 血圧をコントロール
 
			- 状態によっては 蛋白制限、 カリウム制限が必要な場合もあります
 
			- 薬の使用に際して注意
				
					- 他の病院にかかるときなどは腎機能障害があることを伝えましょう
 
				
			 
		
		
			
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					   まとめ 
					
						- 人の身体の各臓器には予備力があります
							
								- 一部分に病変が生じても、 病変のない部分を悪くしないように
 
							 
						 
						-  感染予防、減塩、バランスの良い食事、 服薬が大切です
 
						-  定期的な検査も重要
 
					 
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		*図は講演会の際には様々な本から引用しましたが、著作権の問題があるためこのホームページでは手書きの図に置き換えています。見づらい絵ですみません。
		
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